cowardly






目の前の恐怖に動けなくなった。


「さぁ選ぶが良い。服従か、死か」


腕を差し出し、焼けるような痛みが襲う。


「賢い選択だ、卑しき下僕よ」


たすけて。
たすけて。
たすけて。


「仲間を裏切ることも厭わぬのか、薄情なものだな」


はやく、はやく、はやく。


「名を聞いていなかった」


僕に気付いて。


「……ワームテール、と」


君達と過ごした名前はもう、口には出来ない。


「そうお呼び下さい、我が主よ」


はやく気付いて。
お願い、はやく。


「ワームテール!なるほど貴様に相応しい名だ」


君達を死へ導くよりも先にどうか。




―――僕を、殺して




君達の手で、自分で死ぬことも出来ない愚か者の息の根を。






END



あとがき。
たまにはピーターでも。




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