◆◇5title[雄叫び系]*5◇◆


何でそこで正気に返っちゃうかな!


「ばっ…!」
「勢いで行ってよ、勢いで」
「お前が言うのか!」
「エドがもたもたしてるからですぅ」


あとちょっとで縮まった距離。
庭で吠えた愛犬の声で我に返る。
雰囲気に流されてくれても良いんじゃない?

こっち向けこっち向けこっち向けー!


「やだやだやだやだー!!」
「否定の数のが多い!!」
「ばか!あっち行け!」
「あっれぇ?どうしたんデスカ、ウィンリィさーん?」
「こっち見るなぁっ!!」
「ぶ…っ!お前、真っ赤」


言われなくても分かってるわよ。
こういうときだけ余裕顔、腹が立つったらありゃしない。
悔しさで思いっきりつねり上げた君の頬。

当たって砕けてまだまだこれから!


「めげないね、兄さん」
「範囲内になったからな」
「僕にも遠慮がなくなったし?」
「…最初からしてない」


ぽかりとひとつ殴られた。
倍返しは鉄則でしょ。
僕の拳も痛んだ、昼下がりの兄弟ゲンカ。

行くぜ!題して餌づけ作戦!


「兄さんじゃないんだから」
「分かんねぇだろ」
「なになに、甘い匂い〜」
「「………」」
「ふたりして変な顔してどしたの?」


思わず想像したのはネズミ捕り。
まぁ、簡単には引っかからないと思うけどね。
準備中なのはあまぁい餌と、開きっぱなしの檻。

初恋が実らないなら二度惚れすればいいじゃない!


「…って、お前が振ったんだろ?!」
「アンタ覚えてないでしょ!!」
「悪いかよ!」
「何よ何よ何よ!あたしのこと好きなくせに!!」


言われて絶句。
当たってるけど言えるもんか。
切ない初恋、消えない恋情。



お題は此方から

嗚呼-argh



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